あるピアノの先生から相談を受けた。
S先生は福岡在住の先生で、指導歴約8年。
福岡からなので毎週とは行かないが、定期的に私や誠氏のところに
顔見せがてらレッスンに来てくれている。
彼女は優れた演奏力を持った指導者で、
演奏活動も行っており、指導する生徒の数も30人近くいるそうだ。
ところが、、最近悩みがあるらしい。
聞いてみると、近年になって目立って、生徒の集中力が落ちてきているという。
幼児・小学生の生徒や、高校生の生徒などでも(毎週真剣に練習に励んでくる意欲的な生徒達だそうだ)、レッスンで、うまく弾けないと、とたんに集中力をなくし、先生のいうことも耳に入らず、レッスンで前向きな指導が行いにくくなると言うのだ。そして、そういう生徒に限って、自宅ではうまく弾けたのにレッスンではうまくいかないと漏らすそうだ。
もちろん私の生徒にもそう漏らす子もいる。
どうすればよいのか?
答えは簡単だ。
彼女は「集中力が足りない」ということばを使ったけれど、概してそういう生徒の場合、
練習を全くしてこない生徒よりも演奏に対しての集中力はむしろ高いことが多いのだ。
もちろん、練習をしてこない生徒は、レッスンでうまく弾けないのは当たりまえなので、
また別の対処が必要だけれど。
でも、練習に励んでくる生徒の場合、練習方法や、指導内容はほかの機会にふれるとして、
一番注視するポイントははうまくいかない演奏結果にストレスを感じているということ。
そのストレスの原因を解決するには演奏する(練習する)プロセスを見直すことだ。
音楽は、楽譜を読み、歌い、呼吸し、ピアノに触れ、音を出し、脱力し、音を聴き、ハーモニーや
その他のバランスをコントロールし、音楽を創り上げるという作業を同時に継続して行わなければならない。
これら一つ一つの作業の結びつき、バランスをコントロールする能力を身につけるのは
ソルフェージュ能力が大きな役割を果たす。
(個々の一つ一つの作業に問題があったらもちろん修正しなければいけないけど、)
このバランスが悪いと、思い通りの結果が導きにくくなる。
そういう意味でソルフェージュとは、純粋な音楽演奏上の指揮系統を学ぶことなのだ。
小さな会社が大きな会社になっていく過程で、組織を再構成しなければならない状況が
出てくることがあるように、このソルフェージュ能力も、演奏する音楽が高度になるに従って
個々の質や作業スピードなどに磨きをかけていかなければならない。
それを怠ったり、求める演奏内容にふさわしいソルフェージュ能力が身に付いていない時、
その能力に偏りがあるときによくそういう問題が起きるのだ。
ソルフェージュ能力は高ければ高いほどいい。
私はソルフェージュの授業も6クラス開講しているけど、
ほかの教室などで勉強している生徒さん達にも自由に受講できるようにしている。
(要望もあるので、もう一つ上のクラスも近々開講予定デス♪)
S先生には生徒のソルフェージュ能力を上げる方法を検討するようアドバイスした。
半年後位をめどに、結果が現れるとイイナ☆☆