今日コンクールがあった。
授賞式が終わった後に、午前中に演奏した生徒から写メール。
心からおめでとう!!!
本当に努力してよくがんばったね。
でも、このコンクールというもの、目的を見誤ったままトライする人が増えている。
コンクールで一位をとることはすばらしいことだ。
でも、それだけを目標にし、すべては同じ土俵に立つ人たちとの競争だと、考える人がいるのも事実。
コンクールとは、自分との勝負である。
自分と勝負し、緊張するステージで自分の持つ力を100パーセント出せるかどうか。
そのために、練習を積む。
そうして演奏した結果に、ご褒美として、受賞する人が何人かいるのだ。
その日の調子、演奏者の顔ぶれ、演奏者の数、ピアノの調子、ホールの響き方など、偶然の不確定な要素は誰にでも公平に訪れるのだ。
場合によっては審査内容が拮抗すれば、審査員の顔ぶれで結果が変わることもあるかもしれない。でもそれは、受験者本人が影響を及ぼせる範疇の事柄ではないし、むしろ往々にしてそういうことがよく起こることはコンクールを受ける前に理解しておかなければならない。
賞を取れないことに憤慨し、ただ一方的に自分の外側に責任を求める人は、コンクールからそう多くのことを学び得ることなどできない。
また、コンクールの結果によって受験者本人やその努力を否定することも絶対にあってはならない。(受験者は緊張の中必死に自己を表現するためにがんばっているのだから。)
受賞とは別に、もっと、そのプロセスにおいて努力した人の努力に対して、心から祝福の念を表すべきではないか?
コンクールを受験するからには、受験者が、努力の結果自分に勝つということがもっとも重要な目的であり、そこにもっと注視すべきなのだ。
わかりにくいかもしれないけど、それは自分の身近な受験者(演奏者)を守ることなのだ。